「本物のダービー」 ― 「目」がフットボールを育てる ―  No,1


日本フットボール界は順調に成長している。1998年フランス大会から5大会れんぞくでワールドカップに出場。
ヨーロッパでかつやくする選手は増える一方。イタリアの強豪ACミランの10番をつけているのは日本人だし、ライバルのインテルミラノでも日本人がキャプテンマークをまいた。
げんざいイングランドプレミアリーグで首位を走るレスターシティの中心メンバーのひとりも日本人だ。

ドイツリーグにおいて日本人はその価値を確固たるものにしたし、センターバックやゴールキーパーの選手たちがヨーロッパで活躍するなど1998年以前は想像すらできなかった。
世界とのきょりはかくじつに縮まっている。みながそう思えるようになった。
だからこの辺りで自分たちのいる「現在地」をきちんと確認しておきたい。


頂上がみえて初めて頂上までの正しいきょりが分かる。
先人たちのたゆまぬ努力によって日本のフットボール界も頂上がみえるところまできた。しかし頂上までの道のりはまだまだ長くけわしい。
そしてその道のりをゆく「私たち」自身はもっときびしいじょうたいにある。私たちは頂上にのぼるためにひつような基本的な装備や食料がととのっていないのだ。つまり足止めせざるをえない。


日本の成長は止まる。今よりもっとけんちょにていたいする。わたしはそう感じている。
なぜか。それはJリーグがていたいから抜け出せないでいるからだ。そしてこれは今後しばらくつづくだろう。

「Jリーグはもっとシリアスで質が高く、もっと不確かであるべきだ」
これは元日本代表監督イビチャ・オシム氏が、自身の著書『考えよ!』の中で語ったことばである。
2010年南アフリカワールドカップ開催前にこのことをオシム氏は指摘している。そしていっこうにかいぜんされていない。
もちろんリーグ全体の質の向上はすぐにじつげんできるものではない。長期的な視点がひつようだ。
それでは具体的にどうすればリーグの質が向上するのだろうか。オシム氏は同著の中でこうも語ってる。
「日本には本物のダービーがない」
そう、キーワードは「本物のダービー」だ。



次項は、なぜ「本物のダービー」なのか。

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